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2006年01月12日

映画 『三年身籠る』を観て Insight Listening-心の底の声を聞く 

主演を中島知子(オセロ)さん、監督を唯野未歩子さんがつとめる映画『三年身篭る』(1/28封切り)の試写を観る機会がありました。

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なぜ、子供が生まれてくるまでに27か月もかかったのでしょうか?
その理由をLOHASの観点から考えてみました。
LOHASとは、自分の健康と地球の健康に深いかかわりがあると考え、健康や環境に配慮し自然や家族を大切にするしなやかな生き方のことです。

耳栓をして人の声も街の喧噪も遮断する妊婦。
テレビも見ない、ラジオも聞かない。携帯電話も使わない。
そんな主人公の冬子を見て“内観”という言葉を思い出しました。
英語で言うとInsight Listening。自分の心の底にある本当の声を聞くということ。

内観は、夫、妻、父、母、兄弟など自分の身近な人に対して、いままでの関わりをふりかえる。テレビや携帯電話の無い部屋で、相手からしてもらったこと、自分が相手にしてあげたこと、相手に迷惑をかけたことを一つずつ思いだし、いかに相手が自分に多くのことを与えてくれていたのか、そしていかに自分が相手に何も与えていなかったのかを知る方法。

これを通じて、自分にはこれだけの愛が注がれていたのだということに気づき、自分はすでに十分幸せだったと認めることができるというセルフヘルプの手法の一つです。

食べるシーンもよく登場して印象的です。
たいていは冬子、妹の緑子、母、祖母で食卓を囲み、賑やかにおしゃべりしています。
でも、冬子の日常は、夫は浮気で帰りが遅くいつも一人。
そんな時も冬子は、おなかの子供や夫に対して、内観をしていたのだと思います。

そして、27か月目には病院の無機質なベッドから自然の中の山荘へと移り住みます。
薪ストーブで十分に温められた部屋のベッドで寝起きする毎日。
窓の外には季節のうつろいを感じ、夫と二人暮らしで、ストーブ用の薪割りから、炊事洗濯まで家事一切を夫がします。
夫は仕事も浮気も辞めて、主夫業に専念し、子供の誕生を待つのです。
食事も三度、夫と一緒。静かに、これまでのことや、これからのことを語り合いながら、庭の野菜や近所のものを調理した食事を、良く噛んで、ゆったりいただきます。 

冬子の出産はもちろん自宅での自然分娩です。
私は17年程前に一回だけ出産をしたことがありますが、当時は病院で生むのが当たり前だと思っていました。その後、環境問題に関心を持つようになって、自然出産や自然育児という方法があるということを知りました。

考えてもみれば、4・50年程前までは、日本では皆自宅で産んでいたはずなのに、いつからか殆どの人が自宅では産まなくなって。もちろん母子の安全を最優先し、病院で生むのが近代的で普通のこととされるようになったからなのですが。
最近では、様々な出産方法が実践されるようになったので、情報を集め、実際に関わっている人に会い、その上で自分の価値観に合った出産方法を選ぶことができるようになりました。

27か月かかった理由は、子供の心の声を聞きながら、自分と夫がコミュニケーションを変え、ライフスタイルを変え、父として母として子供を迎える準備のできる状態になるまでに、それだけの時間がかかったのだと思います。


映画『三年身籠る』
http://www.threeyeardelivery.com/

Writing: owadajunko

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