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2006年05月04日

第10回LOHAS会議 (LOHAS10 in サンタモニカ)報告  「オーセンティック(本格)LOHAS ―ブームからトレンドへ。第2章の幕開け―

4月27・28日、カリフォルニア州サンタモニカにて、第10回LOHAS会議(以下LOHAS10と表記)が開催されました。
参加者数は総勢620人、うち日本人が約50人で、日本企業の商品や取り組みが紹介される「Japanブース」も開設されました。
私が日本人として初めて参加した6回目は2人、昨年も5人程度でしたから10倍近い日本人が参加したことに、日本での関心の高さがうかがわれました。

会議には日本からイースクエアのピーダーセンさんはもちろん、「いきいきロハスライフ」著者のイデ・トシカズさん、船井総研のカリスマコンサルタント五十棲さん、日本でLOHASをコンセプトにリフォーム業界で最初に脱塩ビを行ったオクタの奥田会長やLOHASを実践する起業家の方々など
国内でLOHASを牽引するキーパーソンが一堂に会しました。

メディアも「「My LOHAS」、「ソトコト」、「ecocolo」、「eyco」など、もちろん取材にいらっしゃっていました。
では、会議内容や今後への展望をレポートいたしましょう。(長文です)

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スポンサー企業にはペリカン石鹸。パートナー団体としてLOHAS-WORLDのロゴが。

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◆ コロラドからカリフォルニアへ 

ご存知のように、LOHAS発祥の地はコロラド州ボールダーというロッキー山脈の麓にある美しい街で、
日本ではアスリートの高山トレーニングで知られていますね。
LOHAS会議は7回目まではコロラド州で開催されていましたが、8回目からは開催地をカリフォルニアへと移しました。今回開催されたサンタモニカは、ハリウッドから車で15分、LA市内から30分程度というビーチサイドの街で意識の高い富裕層が多く住んでいるエリアです。
日本で言えば湘南エリアに雰囲気が似ているでしょうか。

ビジネススクールでMBAの取得をめざしている藤代 典子さんと出会い、地元サンタモニカのライフスタイル事情を教えていただきました。
「LOHASという言葉は誰も知らなくても、みな日常的に、オーガニックな食事を心がけ、日曜日には家族で青空マーケットでオーガニックな野菜や果物を買い、その後ヨガやビーチでお金のかからない、でもとても贅沢な午後を過ごす。夕暮れ時には、手の届く範囲でごみを拾って帰る。そんな、いわばLOHASな生活を送っている」のが、サンタモニカピープルだそうです。

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にぎわう日曜のファーマーズマーケット(サンタモニカ市主催)

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オーガニックな野菜、果物、ハーブが安い


◆ “ティッピングポイント”を超え、時代のメインストリームに 

10回目を迎えた今回の会議の内容としては、「カルチュアル・クリエイティブ」の著者でもあり、LOHASの生みの親ともいうべきポール・レイ博士による「企業のオーセンティシティ」と題する講演、調査機関NMIによる最新のLOHASコンシューマーに関する調査報告がありました。

マーケティングをテーマとするパネルディスカッションでは、環境コンサルティング会社イースクエアの代表取締役ピーター・ピーダーセン氏が、日本のLOHASの普及状況をプレゼンテーションし、一般生活者の認知が40%を超えていることや、「Japanブース」の内容や、様々な取組が大企業から中小企業まで行われ始めていることを報告し、会場からどよめきが起き、聴衆の注目を集めていました。

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日本のLOHAS事情をプレゼンテーションするピーダーゼンさん

さらに日本人参加者向けのポール・レイ氏の特別セッションがあり、ピーダーセン氏の通訳・進行のもとLOHASの本質について熱心な意見交換が行われました。

また、AOLの創始者で、現在は社会を変革する事業への投資を行うファンド「レボリューション」等を所有しているスティーブ・ケイスによる基調講演や、成功しているLOHAS企業の代表として化粧品のAVEDAのドミニク・コンセイル、レボリューションリビングのCEOに今年1月就任した元パタゴニアのCEOだったマイケル・クロークのCEO対談がありました。

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AOL創業者のスティーブ・ケイス氏とレボリューションCEOのマイケル・クローク氏

アメリカのボールダーで生まれたナチュラル農産物の生産者やビジネスなどによるオルタナティブな取り組みは、ついに“ティッピングポイント”を超え、時代のメインストリームへと転換期を迎えたようです。


◆ 日本にはLOHASな物やサービスが豊富 

もともとLOHASは、日本や東洋の思想に影響を受けたニューエイジな人たちが始めたオーガニック農法、自然食品店や加工食品ビジネスと、カルチュアル・クリエイティブという新しい価値観をもった人の台頭が結びついて登場したコンセプトです。

私たちは、『日本をロハスに変える30の方法』で、国内でLOHASの価値観を持った企業やNPOの事例を
35ほど取り上げましたが、日本には自然に感謝し、その恵みを最大限に活かしてものづくりをしようという
価値観が根付いています。
今や世界語の「もったいない」という言葉も、その精神を広く世界に知らせるものとなったと思います。

今回の「Japanブース」には銀座吉水、ペリカン石鹸、菊水酒造、日本香堂、そして竹布を開発しているナファ研究所、伊勢丹BPQCらが参加。
イースクエアやNPOジャパン・フォーサステナビリティ、京都府、江東区もパネル展示を行いました。
サービス、日用品、酒、繊維製品まで、いずれも日本や東洋の素材・工法・こだわりを活かした丁寧な物づくりに、多くのアメリカ人の関心を集めていました。

特に銀座吉水のコーナーは、オーガニックな特製畳を日本から持ち込み、畳職人の植田さんがその場で設置をし、さらに現地で壁を作り、珪藻土を関係者がその場で塗るという凝りよう。
訪れていた雑誌「evolver」のCEOは「Green Edgeだね!(エコ主義でかっこいいねえ)」と感嘆の声を挙げていましたよ。

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日本職人第1号として会議に参加した畳職人の植田昇さん

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竹布に興味津々のポール・レイ博士


◆ LOHASをゴミ箱にすてないように 

日本では、昨年末に商社や出版社によるロハス(LOHAS)の商標登録とそのライセンスビジネスについて報道され、LOHAS関係者の間で話題になるとともに、インターネットなどを通じて、多くの生活者から失望感の表明が相次ぎました。
この件に関し、今回のLOHAS会議で、ポール・レイ博士から次のような発言がありました。

「LOHASは価値観主導型のものでありパテントでどうにかするものではありません。それは、生活者の価値観に基づくものです。サステナビリティであり、社会的責任を考えたものです。その関心は家庭や地域、国家にとどまらず惑星的な視野にまで広がっています。LOHASを商標登録するのは反対だし、また一方で何にでもLOHASと名づけるのもおかしい。LOHASという言葉がゴミ箱に捨てられないようにしてほしい。」

では、LOHASがゴミ箱に行かないために、ブームをトレンド(社会の潮流)としていくために必要なことは
何なのでしょうか?それは、LOHASについての深い理解と、実践であると思います。
生活者に対しては、入り口がヨガやマクロビオティックなど自分の健康からであっても、サステナビリティにまで理解が及ぶような、あるべきライフスタイルを学習できる場や機関も必要でしょう。


◆ オーセンティシティ 

そして、企業に求められるキーワードはオーセンティシティ(真実性、信頼性)だとポール・レイ博士は言います。
「オーセンティシティとは、300年の歴史しかない言葉です。
個人の中のあるものを表面に出して伝えるという意味。企業で言えば、透明性(トランスペアレンシー)にあたります。透明性とは、プロセスを見せる(どうやって作っているのか。使われた後にどうなるか。)、従業員をどのように扱っているのか、会社を一人の人格として、そのストーリーを語ること。顧客はそれを知った上で、その会社と関係性を持ちたいのか判断する。」と言います。

企業の透明性については日本でもCSRの観点から注目されるようになりましたが、法律を遵守するとか、倫理感を持つといったレベルのことではなく、経営者はもとより、従業員一人一人がLOHASの本質を理解し、そうした個人から構成される法人として、サステナビリティを追求していくことが、求められているのです。

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<寄稿記事掲載の予定> ぜひご覧下さい。

 「エコノミスト」(毎日新聞社) 5/29発売号
 「日経エコロジー」 6/9発売7月号
 「アイソス」(システム規格社) 7/10発売号

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<レポートに関連するサイト>

LOHAS-WORLD  http://www.lohas-world.com/
Japanブース出展企業 http://www.lohas-world.com/lohas10/exhibition.html
オクタ http://www.okuta.com/pc/company_info/missions.html
※『日本をロハスに変える30の方法』(P88)も併せてごらんください
 
ポール・レイ博士の新しいプロジェクト www.integralpartnerships.com
スティーブ・ケイスが昨年創業した新会社 http://www.revolution.com/

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ファーマーズマーケットのオーガニックハーブ

Writing: owadajunko

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