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2006年06月26日

自然派リフォーム最大手、OKUTA。2002年に”脱塩ビクロス宣言”客単価が十倍になった理由

『日本をロハスに変える30の方法』(P88)でご紹介した独立系リフォーム会社OKUTA(オクタ)ですが、NPOローハスクラブのLOHASアカデミーの第一期を山本社長他2名の方が受講されたり、またLOHAS10では奥田会長が参加され、すっかり私も親しくなりました。
私ごとですが、戸建て住宅を購入して7年、そろそろリフォームしたいなと思い始めていたタイミングでのOKUTAとの出会い・・。ということで5月以降、バス見学ツアーとか、LOHAS Studio(ショールームのような場所)見学などして、色々と詳しいお話しをお聞きしているところです。

【最近のリフォーム業界、自然派リフォームが主流に】

『日経エコロジー』の取材でTOTOさんにおうかがいした際にもお聞きしたのですが、1996年以降新設住宅の着工件数が減る一方で、リフォーム件数は順調に増えています。
最近では毎年1.9%、ここ5年では8.7%増加しています(「新建設市場予測研究会編集」調べ)。
大手ハウスメーカー各社もリフォームに力を入れているわけです。

昨年は、悪徳リフォーム業者の問題もあり、業界全体にダメージを受けたそうですが、業界をあげてその改善に取り組んでいます。業者の選定方法・リフォーム工事前の書面による契約の重要性などに関して情報提供やアドバイスを消費者に行う“リフォーム相談窓口”(各都道府県)を設置したのもその対策の一つです。特に埼玉県では行政との連携により「住いづくり推進協議会」を設立する等の
対策を講じ、健全化に努めています。
埼玉県を拠点とするOKUTAは、「住いづくり推進協議会」のメンバーになっているとのこと。

最近のリフォームの特徴は、生活者の意識の変化を受け、シックハウスを起こさない天然の内装材や建材へのニーズが高まり、各社から天然素材のものや工法が発表され、自然派リフォームが主流になっています。さらに、いかに環境負荷の少ない家づくりをするかといったことについての関心やこだわりも高まってきているそうです。


【OKUTAブースコンセプト LOHAS ~ECOLOGY Sustainable ORGANIC REFORM~】

7/1・2にビックサイトで開かれる国内最大のリフォーム展でのOKUTAブースのコンセプトは、「LOHAS ~ECOLOGY Sustainable ORGANIC REFORM~」だそうです。
ずいぶんと欲張りにキーワードが並んでいますね。
ブース全体に植物を設置し、心地良いBGMにより、リラックスできる空間の演出をされるとか。
OKUTAで採用している自然素材の展示や、雑誌掲載・テレビ放映された施工実例が100点展示されるそうです。

TOTOも大きいブースを出されていますし、主催者展示コーナーにLOHASをテーマとしたゾーンもあるので、そちらも行ってみようと思います。

住宅リフォームフェア2006 in 東京
http://www.the-reform.co.jp/soon_fair/2006/tokyo.html 

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┃ 自然派リフォーム最大手、OKUTA。創業14年で年商45億円の秘密
┃ それは、ミッション・ステートメントに基づく経営!
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OKUTAの沿革、様々な業態、取り組みをご紹介いたしましょう。
自然派リフォームを柱に、顧客サポート制度「LOHAS CLUB」、アウトレット建材店「住宅創庫」の開設など、業界に先がけて取り組まれています。さらに、スタッフにはインナーカレッジにより、随時新しい情報を教育しており、顧客に対して、最新の情報を提供できるようにしています。

本でも紹介していますが、2002年9月の脱塩化ビニルクロスは、かなり重大な決断だったと奥田会長は
言います。翌年の売上が落ち込むことを覚悟のうえでの実施でした。
従来の売り方を変えられないスタッフで辞めていった人も少なからずいたそうです。
しかし、翌2003年には「ミッション・ステートメント」を作り、ミッションに基づいた経営を始めました。
奥田会長の尊敬する人はレスター・ブラウン博士、そしてパタゴニアの会長イヴォン・シュイナードだそうです。
会長室には、レスター・ブラウン博士と握手している写真も飾ってありました。

会議室にはミッションステートメント、価値観と並んで“会議のルール”というポスターも貼ってあります。
自分で考え発言しない者は会議に出る必要はない、人の意見を否定するのではなく参考にしながら、どんどん意見を出していこう、実践していこうといった全員参加型の風通しの良い経営の一端がうかがわれました。

OKUTAミッションステートメント
http://www.okuta.com/pc/company_info/missions.html

P1011584.JPG
レスター・ブラウンと固い握手をする奥田会長(2006年5月26日)

【沿革】

 1992年 1月  社員5名にて埼玉県大宮市(現さいたま市)内に有限会社プラス設立
           (資本金3,000千円)
 1996年 3月  業界初の有料会員制度である『LOHAS CLUB』の開始
 1997年 6月  株式会社OKUTAに社名変更
 1997年10月  多機能工部門を設立(現Handyman.jpの前進)
 1998年 2月  不動産会社「株式会社トラストホーム」設立
 2001年 7月  業界初24時間サポートサービス「ユーザーサポート24」スタート

 2002年 9月  塩化ビニルクロスを全面廃止/環境宣言/無添加リフォームブランド設立
 2002年10月  アウトレット・輸入建材ショップ「株式会社OK-DEPOT」設立
           Handyman.jp事業部設立
 2003年 4月  NPO「ECOリフォーム推進協議会」設立
 2003年 6月  ミッションステートメントを掲げ、ミッション経営スタート
 2003年 9月  LOHAS GROUP設立

 2005年 5月  オリジナル建材・建具製造工場(中国)煙台奥洋新型建材有限公司の設立
 2005年11月  LOHAS Studioハウスクエア横浜店を開設により神奈川へ進出
 2006年 2月  LOHAS CLUB会員8,500名に。
 2006年 9月  年商 45億円(見込)


【OKUTA Family各社の事業ドメインとその特徴】

■ OKUTA.com  http://www.okuta.com/

無添加リフォームを柱に、エコロジーとデザインが両立したLOHASな家づくりに注力しています。
・耐震事業部 : 耐震リフォーム、OKUTA耐震技術向上
・LOHAS GROUP事業部 : 無添加リフォームビジネスパートナー
・Handyman.jp F.C事業(便利屋サービス)
・LOHAS CLUBサポートサービスF.C事業:有料会員制による顧客サポート制度です。
会費は修繕費への充当やオリジナルLOHASグッズと交換できるそうです。
売りっぱなしにしないLOHASな姿勢もここに表れています。現在の会員数は8,600人。
LOHAS Studioでの交流会などもあるそうです。

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首都圏に10店のLOHAS Studio(大宮店)


■ 住宅創庫  http://www.jutakusouko.com/

株式会社OK-DEPOTが運営するアウトレット建材店です。加盟会社へオリジナル建材の供給(ノンケミカル建材)を行うとともに、ショップにて一般消費者もアウトレット価格で設備機器、建材などを購入することができます。欲しい物が沢山ありました。ビックリするお得な価格です。

P1011755.JPG
住宅設備・機器から床材、壁材(珪藻土他)、洗面ボールも各種あり。見ていて飽きません。


■無添加計画  http://www.re-trust.com/

株式会社トラストホームによる不動産販売・自然派住宅の建て売りを行っています。

■煙台奥洋新型建材有限公司

中国で無添加建具の製造工場を運営しています。  (2006年6月末現在)


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┃ 中国でもLOHASに関心が ”楽活族”増加中!? 
┃  中国初“OKUTA LOHAS studio BEIJING”北京にオープン     
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OKUTAが中国の北京にショールーム 「LOHAS Studio」をオープンされれました。
 
発祥の地アメリカでは一般の方への認知がほとんど無いLOHASですが、中国や韓国などアジアにはLOHASという言葉で関心が広がり始めていて、中国では、LOHASは「楽活族」(楽活:健康で、活き活きとした生活を送る、族:共通の志向を持つ人々)と表され、LOHASというタイトルの雑誌や特集記事なども組まれているそうです。
中国語でインターネットでLOHASを検索する件数も日本に次いで多いとか。

今回、OKUTAが「LOHAS studio BEIJING」を出店された施設は、エコロジーをコンセプト10万平米もの延べ床面積をもつ、“住”に関する複合ショールーム『MALL PLAZA』です。
その6階の一画に、中国のIBBM社とOKUTAの共同事業として「LOHAS studio」を開設されました。

中国では、現在シックハウス等が問題になっており、富裕層(中国全土における約1.5%)では住宅の建材や健康問題に関心が高くなっています。
また、日本人デザイナーによる住空間の設計が、特に30~40代の富裕層に好まれるようで、市場調査の意味合いも兼ねても出店だということです。

<OKUTA ホームページ>
http://www.okuta.com/

Download file"><同ニュースを報じた日経新聞の記事> 

 (2006年11月20日)


Writing: owadajunko

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