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2006年07月21日

雨の祇園祭  「京風ロハスな暮らし」 連載第12回  

                                     ジャーナリスト 木下明美         

今年の祇園祭は宵々山、宵山(よいやま)、山鉾巡行(やまほこじゅんこう)が3連休にあたり
日程的には最高のはずでしたが、
お天気には恵まれず、大雨の中で山鉾巡行が挙行されました。

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「確か昭和の終わりごろにあったくらいで、終始降り続いたのは平成以降は初めて」と
伯牙山保存会会長の杉本秀太郎先生が新聞紙上で仰っていました。

私は宵山に出かけました。途中驟雨で雨宿り。鴨川も増水。

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件の伯牙山のお飾り場になっている杉本家にお祭りのご挨拶に伺い、煎茶のお仲間一同からの
お祝いをお届けする役目もあったためです。きもの姿で賑々しく友人を伴って参りました。

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 杉本家前にて

幕が張られ、お提灯が立ち、杉本家のハレの日。京都市指定文化財になっている関係で
一般公開されました。

杉本家のご家族にご挨拶をさせていただき、屏風飾りを拝見。

http://craft.kyoto-np.co.jp/kisetsu/july/byobu.html

奥様が、「まあ、好い着姿。ますます着物が決まって来られましたね」とお褒めくださる。
夫の母の遺した帯を見ていただけてうれしかったです。
またお包みの小袱紗(こぶくさ)を杉本先生のご叙勲の内祝いに頂いたものにしたところ、

「ちゃんと主人がよろこぶもので、お包みくださって!」とこれもまたよろこんでくださいました。
そういう心遣いを楽しむというか、マナーを堅苦しく思わずに、楽しんで継承していきたいものです。

四条繁栄会の綺麗な冊子「きょうと しじょう」夏号がお稚児さんを特集しています。
葵祭の「斎王代」(さいおうだい)、祇園祭長刀鉾(なぎなたぼこ)の稚児さん(他の鉾はお人形、
長刀鉾だけは生稚児)は、毎年誰が選ばれたか大きくニュースとして取り上げられます。
今年は某八ッ橋屋の小学生でした。

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お稚児さんに選ばれた子どもの家では、長刀鉾との結納の儀を済ませば、鉾町の養子となり、
八坂神社の神の使いとして幼いながらもその位は正五位少将として精進して暮らします。
お千度参りから巡行まで祖父、父がお稚児さんにつき沿い、またお囃子方も祖父から父、孫へと
受け継がれる祭りなのです。洛中の町衆によって受け継がれて来た祇園祭ですが、
最近では鉾町に新しく建ったマンションの住人も祭りの担い手=新町衆として伝統行事に
参加しはじめているようです。

私が京都に住みはじめた頃は、巡行の人出でにぎわう四条通りには、名だたる老舗が軒を連ねていましたが、
祇園祭に相応しい格式ある和の店は、和装小物「井澤屋」、履物バック「伊と忠」、京呉服「ゑり善」ぐらい。
この3店にはいつまでも四条通りで頑張って店を張っていて欲しいものです。
井澤屋で夏の京扇子老舗「宮脇賣扇」のものを買いました。ちょっと江戸好みかも?

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Writing: owadajunko

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