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2006年07月05日

もったいない!を訴えた研究者の女性知事候補、初当選! 「京風ロハスな暮らし」 第11回 

                                         ジャーナリスト  木下明美

7月3日の全国紙の大阪本社版と京都新聞は、「滋賀県知事に嘉田氏が初当選 女性、全国5人目! 」
トップ記事で大きく伝えている。

「琵琶湖の環境に取り組む研究者から政治家へ——嘉田由紀子氏は、大津市や近江八幡市、
長浜市など都市部を中心に14市町で他候補の得票を上回った。
環境団体のメンバーらが中心になって選挙運動を展開し、『もったいないを活(い)かす滋賀県政を』を
テーマに財政再建や琵琶湖保全、子育て環境の充実を掲げ、新幹線新駅や県内のダムの凍結を
強く訴えた。選挙期間中、ひたすら『もったいない』と訴え続けた。
それは琵琶湖研究のフィールドワークでお年寄りから聞かされた言葉で、財政難の中で新幹線新駅を
建設することがいかに無駄か、また、琵琶湖が持つ自然の力や、子どもや若者の能力を生かし切れていない
現状を表現するぴったりの言葉だと思った」という。

琵琶湖は「京の水瓶」とも言われ、京都のものは琵琶湖の水位を気にするが、滋賀県民は水と自然の恵みを
大切にする環境意識が高い。
彦根市に住む私の友人のKちゃんは、かつて日本一大きな琵琶湖を手と手を繋いで抱きしめよう!
—————「抱きしめて琵琶湖」という大イベントを成功させた一人だ。比叡山のお座主さまもお山を下りて
来られて、子どもたちと一緒に手をつなぐおひとりとなられた。琵琶湖を抱きしめる手となるために近隣から、
海外からも参加し、参加費を払うことで障害児施設の建設費を購い、県民がお世話になっている琵琶湖の
環境を守ることへの理解も深めようという素敵なイベントだった。今から20年前のことである。 

先日、天智天皇ゆかりの大津市にある近江神宮(時計博物館あり)の献茶式に参加。
雨音だけが聞こえる静寂。こころ落ち着くひとときだった。こういうひとときをもっと多くの方々に体験して
いただきたいと心底思った。今の世相を憂う宮司さまの最後のお礼の挨拶も神職の立場を超えてこころに
残るものもあり、それに加えて本殿前の照明はソーラーによる照明だった。
このコラムのための私のこじつけではないと思う(笑)

今回の選挙はそういう県民意識の現れだと私は見ている。利権の絡むようなハコものはもう要らないと
県民は現職知事にノン。地域の活動を担っている女性たちが今回の選挙で特に頑張ったようだ。
大切なのは、私たちの暮らし!それを最優先に考えるひとたちが、「もったいない」候補に1票を投じたのだ。
「支持者がメールや口コミで知人に声をかけ、じわじわと支持が広がる。事務所には連日、新たに支持者と
なった男女が駆けつけ、選挙運動を手伝った。『もう私の選挙じゃなくなっている。みんながつながった。
だから負けられない』。6月30日夜、野洲市であった最後の個人演説会で、嘉田氏は確かな手応えを
感じていた」という。3期目を目指した無所属現職に約3万2000票の差をつけての当選だった。

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近江神宮

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夏の煎茶道具

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ソーラ-照明

Writing: owadajunko

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