TOP » ビジネスLOHAS » 地域づくり

2006年09月18日

福井県池田町の森林

町の人口は約3,800人、町の面積は約195平方キロメートル(19,500ha)ありますが、その約92%は
山林です。農地のほとんどが水田で、約500haあります。
環境保全に熱心に取り組み、町民有志による「100人のパートナー会議」による提案から
「環境向上基本計画(かえるプロジェクト)」、「水を清く守る条例」を制定。NPO法人による生ゴミ回収・
堆肥化事業「食Uターン事業」の展開や生ゴミ堆肥「土魂壌(どこんじょう)」シリーズの販売。
「ゴミ分別大辞典」の全戸配布や小中学生による資源回収事業の展開がなされています。
こうした取り組みが評価され今年、(財)社会生産性本部から環境関連の賞を授与されています。

P1012468.JPG
木造体育館「わいわいドーム」。ゲートボールやクラブ活動の場。
H12年に2億2千万円をかけて建設された。お年寄りから若者まで使われている。

P1012471.JPG
柔らかい自然光が天井から入ってくる。地元の足羽(あすわ)杉使用。

下池田という集落の林業活性化グループの方にお話をうかがいました。
森林の現状は深刻です。今回訪問した下池田の集落は、数十年前は40世帯240人の人が住んでいたそうですが、
今では21世帯、28人にまで人口が減り、65歳以下はたったの6人です。高齢化率8割です。
3年後にはダムができてこの集落はダムの底となる予定です。
2年前の災害で福井市内の3000世帯が被害を受けました。この集落はあと10年もすればほとんど人が
いなくなってしまうわけですから、ここをダムにして福井市内の災害を予防しようということが
決まったわけです。

「下池田には4,050haの森林がありますが、手入れがされているのは200~300haで5%ほどです。
あとは放置されていますから、間伐もされず、根も張らず、豪雨が降れば簡単に倒れてしまうわけです。
40年経った木を市場に出すと収入になるどころか,請求書が来ます。80年経った木で±0です。
これじゃあ、誰も山を相続しようと思いません。
親が亡くなったら、いくらでもいいから買ってくれという状況です。
それでも、2年前に林業活性化グループを作りました。いろいろ試行錯誤していますが、まだ成果には
むすびついてはいません。

近くの山の木で家を建てることや、下流の人が上流の森を守ろうと森林税を創設するとか、
なんとかしたいものです。」
この下池田の例が日本の多くの森林の現状ではないでしょうか。

Writing: owadajunko

↑ページの先頭へ

関連書籍・メディア

お問い合わせ

企業・個人からの個別相談・コンサルティングを承っています。お問い合わせは下記フォームからお願いいたします。


ドキュメンタリー映画「幸せの経済学」