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2006年10月01日

回復基調に転じた木材自給率!? -10月は木づかい月間だそうで (10/1)

10月8日は木の日で、10月は「木づかい推進月間」だそうです。知りませんでした。
今年のこの月間は嬉しいニュースで迎えることができました。
木材自給率が久々に20%台に回復する見込だからです。
1964年の木材輸入自由化以来、低下の一途を辿ってきた木材自給率(木材のうち用材需要量に
占める国産材の割合)は、2000年には20%を切り、18.2%にまで落ち込みました。

その後、数年は低迷を続けていましたが、林野庁では森林の機能である水源の涵養、災害防止、
CO2の吸収といった働きが滞ることのないよう、そして林業の持続的かつ健全な発展をめざして、
2001年7月に「森林・林業基本法」を施行しました。

国産材の利用促進に関する施策を強化し、2005年からは「国産材、使って減らそうCO2」を合い言葉に、
「サンキューグリーンスタイル 木づかいキャンペーン」を開始するなどして関心ならびに
需要の喚起を図ってきました。そうした取り組みの結果、製材用、合板用の国産材の使用量が
増えはじめ、今年は5年ぶりに木材自給率が20%にまで回復の見込だということです。

消費者の間でも、自分の家や家具に使われている木材の素性に関心を払う人が増えています。
どこの国のどんな木材で、その森はどのような管理がされているのか・・・

現在、森林に関する主な認証制度はFSCとSGECがありますが、FSCは国際的な認証です。
SGECは2003年6月に、発起人74団体(環境NGO、経済界・消費者団体、学会・学識者、
建築関係団体、森林・林業団体など)の参加を得て発足した国内の認証制度です。
王子製紙グループや日本製紙㈱などが、SGECの認証を受けています。

FSCとSGECが認証している国内の森林面積は合計で492千ha(※)ですので、
国内林の約2%が認証を受けていることになります。
この森林認証というものは、産地や管理がきちんとされていて、産地がどこかわかるというように、
木材のトレーサビリティとも言えるものだと思います。

 ※ FSC 277千ha(2006年8月31日現在)
   SGEC 215千ha(2006年7月25日現在)

食の分野では、食育を始め、減農薬野菜や地産地消、食品のトレーサビリティ、食糧自給率への関心が
高まっています。住の分野でも、シックハウス、家具や住宅の木材の産地・トレーサビリティ、
木材自給率への関心が今後高まっていくでしょう。
そして今後は、森林や住生活に関する教育“住育”が注目されていくに違いありません。


※10/8発売の「日経エコロジー」(11月号)では、住友林業さんを取材させていただきました。

Writing: owadajunko

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