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2007年03月16日

「スマートで影響力のある企業の4つの条件」

昨日(2007年3月15日)、大伸社(大阪のマーケティングコミュニケーション会社)の55周年記念シンポジウムが、恵比寿ウエスティンホテルで開催されました。

テーマは「スマートで影響力のアル企業の4つの条件」
パネラーは、「生活の木」社長 重永忠さん、「オクタ」会長 奥田いさむさん、「ハッピーコム」社長 戸田江里子さん、そしてコーディネータを「オルタナ」編集長 森摂さんが務められました。

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まずは各社の自己紹介。併せて個人としての趣味も。

重永さん) ハーブは何十万品種ある。それをいかに価値に変えるのか?今はアロマテラピーに力を入れている。現在120店ある(直営70)
仕事以外には、原宿表参道を素敵な街にしたいので、まちづくりの活動に力を入れている。年間14のイベント。NPOグリーンバードの副理事長も務めている。ゴミのポイ捨てを止めようと呼びかける活動をしえいる。6年前から、合唱団も地元に作った。この素敵な仕組みを各地、世界に広げていきたい。趣味はヘビーメタルが好き。

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「生活の木」社長 重永忠さん 

奥田さん) 首都圏で12箇所、リフォームスタジオをやっている。創業当時は、普通のリフォーム会社だった。2002年から塩ビクロスを全廃した。ダイオキシンの問題と可塑剤の有害性を知ってしまった以上はそれを止めよう。それまで毎年10%伸びていたが、それまでの社員は半分くらいが辞めた。ちっともスマートではなかった。当時は、かなりつらかった。
趣味はサーフィン。社会人になる前からサーフィンをやっていた。環境問題に目覚めたきっかけは、サーフィンであり、サーファー。いわばサーファー経営者。

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「OKUTA」会長 奥田いさむさん

戸田さん) ハッピーコムを創業して6周年。会長は浮川初子さん。家庭向けのジャストシステムの販促を手伝ったことから起業。全国で300人の女性のインストラクターを組織化。パソコン教室を使って商品の販売を行ったり、PC・家電製品のユーザビリティの改良提案を行っている。CSRに関しては、女性の能力を活かせる会社にしたいということと、家電製品のリサイクルを活動のテーマとしてきた。

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続いて、森さんから、「スマートで影響力のある企業の4つの条件」として、次のようなポイントが話されました。

1.経営者はブランドの語り部
・社長はDNAの伝達者。自らが社内外で積極的な発言をする。
・環境部、ブランド管理室、社会貢献室など専従組織を作って、他の従業員が無関心になってしまうこともある。

2.社業と社会貢献が深くリンクしている
・従業員、株主、顧客などの各ステークホルダーを納得させるだけのコンテクスト(文脈)が必要。
 マイケル・ポーター「社会貢献コストは戦略的投資である」と言っている。

3.デザインに優れている
・製品だけでなく、広告、フライヤー、プレスキット、オフィスも格好良く、憧れ、感動を生み出す武器となっている。
   
4.横並びではない
・他社と違う経営判断ができる。 オルタナ創刊号のリストの基準

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「オルタナ」編集長 森さん


各パネラーから各社のこだわり、DNAが披露されました。

重永さん) 弊社はこだわりの企業。エクセレントカンパニーと言われるより、こだわりの会社、面白い会社と言われたい。
4つのこだわりがある。 
① 創ることが好き。 新しいものを創る。その優先順位は、まず文化。自然の恵みを活用する文化。化粧品を作る文化。香りのある文化。手段として、教室、本、
次いで場を作る:学びの場=教室、リゾートホテル。ハーブガーデン。
② オール自前主義 : スタッフ500人いる。MBA持っている人もいない。高校中退もいる。でもハーブが大好きなスタッフが集まっている。
③ 一環流通体制 : 旅行、店、畑、いずれは派遣事業も行うかもしれない。
④ 環境問題への取組は、人間の心と身体の環境を整えることに専念している。

合言葉は“ライフウエアカンパニー”。ライフウエアとは生き方、暮らし方と捉えている。
経営理念は自然・健康・楽しさの提供。会社と経営者の考えが一致している。
社員との距離をどれだけ近く保つか。家族的な会社にしたい。新入社員とは個別に2時間位語り合って想いを共有している。
DNAとは「だって、なんてたって、あなたの会社でしょ」と言っている。


奥田さん) 2002年以前は、ポルシェ、ベンツに乗っていた。今はプリウスにしている。
2001年に友人が交通事故を起こし、運転をしていた友人は亡くなり、助手席に乗っていた自分は生き残った。彼はオーストラリア人でサーファーで、環境問題に熱心だった。事故後、1年は色々読書をした。
その友人から98年にレスター・ブラウン「エコ経済革命」を勧められ読んでショックを受けた。

自分の事業で考えてみれば、ビニールクロスの有害性。可塑剤は発ガン性の疑いがあるということで、玩具にはすでに使われていない。これを廃止することにした。まずは幹部の説得、社員に伝える勉強会をいった。それまでは売上至上主義でやってきたが、それを180度転換することに。
100億円の企業を10年続けるよりも、10億円の企業を100年続けるほうが価値があると考えるようになった。

2003年、LOHASという言葉を知り、ホッとした。エコロジーとかストイックにやりすぎてもダメ。もちろん塩ビを止めるということはストイックにやっているが、格好良くやりたかった。

徹底的に行ったのは教育とデザイン性を高めることに注力してきた。
悪質リフォーム詐欺事件、耐震偽装などの問題が起き、チラシからの問い合わせが1/4になってしまった。これは1年間続いた。売上は多少落ちたが、当社は存続できた。単に安売りのリフォーム会社の多くは消えていった。

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そして、最後に森さんから、今日からできる3つのことがお話されました。

森さん) 今日からできることを3つ
1.ミッション・ステートメントを作る(あるいは見直す) 会社のベクトルを定める
   一回決めて、毎年見直してもいい。

2.社員をサーフィンに行かせる(もちろんサーフィンでなくてもOK)
「パタゴニア」の創業者イボン・シュイナードの本『社員をサーフィンに行かせよう』を3月に出版したが、アメリカの本社も日本支社もオフィスが海沿いにある。良い波が来たら、社員は本当にサーフィンに行ってしまう。年に数ヶ月海外にいってしまう社員もいる。社員同士が助け合っているのだ。

3.デザインに興味を持つ。デザインで社員や顧客を感動させる。


※森さんが編集長を務めるビジネス情報誌「オルタナ」創刊号ができあがりました。
 登録をすると、無料で自宅なりオフィスなりに届くそうです。3月中に登録すれば、創刊号が届きます。
 登録をまだされていない方は↓からどうぞ。
 http://www.alterna.co.jp/

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『オルタナ』 ヒトと社会と地球を大事にするビジネス情報誌

Writing: owadajunko

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