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2007年05月05日

野草の花園、ひばりさえずる「くりもと地球村」 佐藤文彦さんの畑

◆ 菜の花にも色々な種類があったとは

この一年、マイブランドと呼べる野菜・畑との出会いを待っていたのですが、ついに、そんな畑と出会うことができました。それが、千葉県香取郡栗源にある佐藤文彦さんの畑です。

たまたまGRI日本フォーラムの合宿で3月末に宿泊したのがきっかけでした。深夜まで語り合った翌日は、早朝から畑で収穫のお手伝い。朝露をあびた色々な種類の野菜。
農園の主である佐藤さんの話をうかがいながら、皆で野菜を朝摘みしました。農薬はもちろん使いませんし、肥料は雑草を刈って撒いているだけだそうです。

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驚いたことに、昨年植えた作物によって翌年出てくる雑草は異なるそうですよ。びっくり。ちょうど3月末には、雑草ではぺんぺん草の白、ほとけの座のピンクのじゅうたんと、まるで種をまいたように作物の種類の畝ごとに雑草の種類が変わっていました。

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そして所々に色々な菜の花の黄色がアクセントを添えています。
色々な菜の花というのは、いわゆる菜種の菜の花だけでなく、小松菜の花、チンゲン菜の花、白菜の花も同じような花をつけるんですね。知りませんでした~
「皆さんがふだん食べている野菜は子供なんですね。大人になると皆花をつけるんですよ。」収穫しながら花のつぼみを摘んで食べて歩いていました。それぞれの野菜の味がしましたよ。

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確か小松菜の花?
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こちらは壬生菜の花

ひばりやスズメがさえずり、平飼いの鶏も元気に走り回るという場所です。
一泊朝食付で3,800円。グループなどの30名位までの合宿も可能です。社員研修に農業体験もお勧めです。(2007.3.31記)

<くりもと地球村>
http://www1.ttcn.ne.jp/~kurin/

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地元の木を使った木造三階建て


◆ 17年前に就農 循環農法との出会い
 
佐藤さんは、お祖父さまが農業を、お父さまが公務員で、ご本人はお父さまの転勤で、大人になるまでは各地に住みました。大学で美術を専攻し、いざ美術の先生になろうかという段階で疑問を感じ、自分とは何なのか、アイデンティティを探して色々な仕事を模索し、25歳で生まれ故郷の大分に帰り農協に勤めることになったそうです。

農協に勤めて数年後、赤峰勝人さんとの出会いがありました。赤峰さん自身、農業を始めて5,6年たった頃、収穫量が落ち、体調が不良になったことをきっかけに、脱農薬農業へと転換し、12年の歳月をかけて循環農法を完成させました。

「草が土作りの主役であること、菌がバイ菌ではないこと、虫が害虫でないことを知って神草、神菌、神虫理論が出来たのでした。また、循環のものさしで原因と結果を追い求めてゆく中で、陰陽にたどりつき、循環と陰陽のものさしで世の中の動きを見るようになると、メチャメチャであることが手に取るように見えてきました。」とWEBサイトで語っていらっしゃいます。

<赤峰勝人さん なずなグループ>
http://www7.ocn.ne.jp/~akakatu/


◆ 土着、多様性、先住民族 そんな文化の防波堤でいたい

赤峰さんの畑に8年通い、自分の農業を自ら行おうと、ついに35歳の時に就農することになりました。以来17年、現在の場所に14年、土作りをしてきました。最初の数年はアカザなど手ごわい雑草が出ましたが、そのうち小さな花を付ける野草の花園に変わっていったといいます。土作りは微生物が発酵する土になったら堆肥も不要で、野菜の種類に応じて異なる雑草が生え、それを土にすきこむことで土の循環力が高まるそうです。今では約80種類の野菜を作り、家庭やレストランに個別配達をしています。

アトピーや精神的に問題をかかえている若者が長期滞在して、多くの人がよく眠れるようになり、症状が軽減しているそうです。
「太陽をあびて朝早くから起きて土や野菜にふれて、野菜中心の食事をしていれば、夜はしっかり眠れますよ」と佐藤さん。

広いところが好きで、土着しつつも了見が狭くなることなく、普遍性のある、かつオリジナリティのある仕組みをつくっていきたいと言います。“貨幣経済”の大洪水に対し、“土着、多様性、先住民族”といった文化を担い、防波堤、砦でありたいと。そして、子供たちに食や命の基本を教える学校を作りたいと抱負をお話くださいました。(2007.5.1)

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しぼりたてのニンジンジュース。
砂糖やリンゴを加えなくても十分甘い!

※昨日、初めて地球村から野菜の箱が届きました。あの畑を見たことがないと、これがキャベツ?(まだあまり巻いていません)この巨大なほうれん草は何?と驚かれると思いますので、興味をお持ちになった方は、まず一度ランチを食べ(野菜のおかず7品程度、玄米ごはん、お味噌汁で1,000円~)、ひばりの声をききながら(季節限定)、畑を佐藤さんと一緒に歩き、平飼いの鶏さんに挨拶をすることをお勧めします。

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炒めたニンジンも甘い。野菜の天ぷら。筍も。

※浜松町から高速バス(片道1,800円)90分 栗源(くりもと)バス停から車で5分 高萩1646-24

Writing: owadajunko

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