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2007年08月01日

SCの未来像。ライフスタイルセンターの核店舗は「ホールフーズ」

4月下旬に、未来のショッピングセンター(SC)像を探るべく、シアトル、ボールダー、デンバー、ラスベガス、ロサンゼルスで約30箇所のSCを視察してきました。

7/30付けの日経流通新聞でも特集が組まれていましたので、4月に視察したSCから一つご紹介したいと思います。

アメリカにはショッピングセンターが47,000ヶ所にあります。そのうち、モールと百貨店やスーパーなど大型店を核とする(RSCリージョナルショッピングセンター=広域型SC)と呼ばれる大型タイプが1,800です。

RSCは、ウォルマートに代表されるように、大商圏を対象に、コンクリートの四角い大きな建物と、巨大な駐車場が隣接するという、景観上も美しくないタイプのものが多く、近年では、こうした巨大なモール型のSCは広すぎて疲れるし、もういらない、昔あった街の中心街が懐かしいという気持ちを持つ人が増えてきました。

そこで登場したのがライフスタイルセンターと呼ばれるタイプです。住宅地の中や近くに作られることが多く、オープンモールで緑や花を多く配置し、買い物をする施設だけでなく、生活サービス、公共施設もあります。テナントも専門性やこだわり型のものが多く、また買い物だけでなく、エンターテインメントや飲食が充実しているのも特徴です。歩く楽しさ、集う楽しさ、憩い、安らぎのある場です。例を一つご紹介しましょう。

<ザ ディストリクト アット グリーンバレー> 

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ラスベガス郊外に2004年4月にできたライフスタイルセンター型のSCです。ラスベガス周辺は人口が増加しつつあり、ここは37万坪に及ぶ開発計画の一環で、2006年初旬に二期工事が完成しました。核テナントは「ホールフーズマーケット」です。

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「ホールフーズ」は、今年2月に自然食品チェーン第二位の「ワイルドオーツ」を買収し、一兆円企業へと成長を加速させています。最近は、“地域の農産物を食べよう”といった地産地消をテーマとしたキャンペーンに注力し、また4月は“地球月間”ということで、CO2を減らす30の方法と関連商品を推奨するプロモーションを行っていました。

「ザ ディストリクト アット グリーンバレー」には準核店舗としてアウトドアウエアの「REI」や、インテリアショップの「ウエストエルム」などこだわりの専門大店も出店しています。

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中央の歩道を挟んで両脇に建つモールテナントは43店。三層からなる建物は1階がショップ、2・3階は住居です。レストランには人気のチェーン店の「PFチャン」や「チーズケーキファクトリー」も入っています。

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駐車場台数1,750台。その他施設にコンドミニアム、オフィスパーク、カジノホテルなども配置されているというテナント構成です。敷地内にはコンテンポラリー音楽がBGMとして流れていたり、ワンコ用のスペースもあるなど快適性にも気配りがなされています。

※ The District at Green Valley : 1-215 Green Valley Parkway, Henderson, NV

Writing: owadajunko

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