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2007年11月04日

自分の家の大黒柱にするヒノキを選びに山へ -“木魂祭(もっこんさい)”に参加して(11/2・3)

11月2日・3日は、ロハス・リフォーム会社「OKUTA」の顧客会員組織LOHAS Clubが主催するエコツアーに参加してきました。
会員の方々を始め、社員のお母さまとそのお友達、内定者の方など総勢15名が参加され、オクタからは社長の山本さんや、クラブ担当のスタッフの方々が同行されました。お世話になりありがとうございました。

ツアーの行程は、新宿を朝バスで出発し、富士山麓の「クレマチスの丘」で「木村圭吾美術館」に次いで日本料理店「バサラ」で昼食。午後は静岡県富士市の山中にある㈱影山木材株の製剤所、そして静岡市内の駿府城の見学。二日目は久能山東照宮、昼食は丸子宿「丁子屋」でとろろ定食、そして午後はメインイベントの「木魂祭」を見学しました。
静岡の田園風景や食材を楽しみつつ、林業やヒノキ、木の家について考えるエコツアーでした。
(私的には循環型社会である江戸時代の祖、“徳川家康”に気づくことが裏テーマでもあったようにも・・・)

「クレマチスの丘」の日本料理「バサラ」は、徳島「青柳」のオーナーシェフ小山裕久さんがプロデュース。かまどで炊いたごはんや、地元の食材を活かした洗練された料理はランチでもなかなかのもの。ここはお勧めです。かまどで炊いたごはんは、つやつやで甘く、漬物となめこのお味噌汁といった脇役が冴えていました。「クレマチスの丘」はとても広い敷地で、春にはクレマチスが美しく咲き、また「ビュッフェ美術館」、「井上靖文学館」やレストランなどで長時間楽しめる場所です。

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前菜

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炊きたてのかまどご飯がつやつや。主菜の鰹も新鮮

クレマチスの丘 http://www.clematis-no-oka.co.jp/index2.html


◆静岡県産ヒノキの製材所へ

午後は、富士市の山中にある影山木材の製材所へ。影山木材は、明治22年創業。120年の歴史を持ち、現在の社長は4代目です。静岡県内のヒノキを中心に一日約1,000本、柱なのどの角材を製材しています。木の皮や粉は肥料に、チップは紙の原料に、端材は屋根や床下の板に使われているそうで、全てが活用されているんですね。

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丸太を角材に

会長の影山弥太郎(74)さんは、木の家の良さを説いて30年以上。「ヒノキの香りは脳を活性化して集中力をアップさせるし、落ち着きますよ。部屋の壁面を一面だけヒノキにするなどお勧めです。」と木の効用を教えてくださいました。

ここで製材している近くの山のヒノキは樹齢90年程度のものが多く、一本の木から大黒柱(18センチ角で6メートル)、3メートルの中黒柱(ちゅうこくばしら)と小黒柱(しょうこくばしら)が4本、計5本取れるそうです。90年前といえば大正時代ですね。
木材の伐採は8月下旬から3月が適したシーズンだそうです。それ以外のシーズンは水を上げる時期で、木が傷みやすいんだそうです。はるほど。


◆駿府城、木造で復元

夕刻、市内の駿府公園内にある駿府城の東の御門と巽櫓(たつみやぐら)を見学。お城の復元というと、コンクリートで当時の姿を再現というものが多い印象がありますが、なんと、この二つは図面が見つかり、巽櫓は1989年に、東のご門は96年にいずれも木造で復元されました。国と市から30億円が捻出されたそうです。

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復元された「巽櫓」と「東の御門」

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床もひのき。素足で歩いて温もりを実感

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天井を見上げると複雑な木組みが。釘は使っていません

図面通りの種類の材木や工法です。木材の調達には地元の木材組合があたりました。例えば、門には太い松が2本使われていますが、それぞれ樹齢300年ほどのものを八方手を尽くし、なんとか工期までに国内で探しだし使用したそうです。コンクリートで形だけを復元してもせいぜい50年しかもちませんが、木造なら数百年はもつのです。


そういえば、初日は曇りで富士山は姿を見ることができませんでした。
そして二日目。朝6:00少し前、雲の合間からほんの数分間でしたが、赤い日の出が姿を現しました。富士山は未だ見えません・・・

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◆大黒柱を選ぶ。樹齢90年の命をいただく。

午後の木魂祭は、影山木材が年に2回行っているイベントです。家をこれから建てようという家族が、その大黒柱になるヒノキを選びに山に出向き、伐採に立ち会うという儀式です。森林は市内から車で1時間ほど入った、山頂近くにある樹齢90年のヒノキの山にあります。今回は、神奈川から5組の家族が立木(りゅうぼく)の選定に訪れていました。

自分の家の大黒柱になるヒノキをはるばる産地の山の中まで訪問して選び、伐採に立ち会う。これから家を建てる物語の始まりがそこにはありました。

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樹齢90年のヒノキ

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御神酒をあげ、二礼二拍手一礼

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チェーンソーが入る

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感動的な瞬間でした。木が倒れる瞬間、ヒノキの香りがあたり一面にサーッと広がります。見ている私たちにも、命をいただくことへの感謝の気持ちが沸いてきました。
建売の完成した家を選ぶのではない、工務店と相談しながらどんな家にしようか、どんな木を使おうかと話し合い、そして家族全員で家の中心となる木を選ぶことから始める。こんな家の建て方があったんですね。


私は8年前に建売の家を購入してしまったので、室内には塩ビクロスや集成材のフローリングが使用されていますし、大黒柱もありません。ロハスなリフォームや家づくりを知れば知るほど、早くリフォームしたい、いつか大黒柱から自分で選ぶような家づくりをしたいという気持ちが高まります。

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色づき始めた葉。例年よりは2週間遅いとか

※オクタさんが、第4回エコプロ大賞で審査員特別賞を受賞されました。
 おめでとうございます。
 表彰式は12/13のエコプロダクツ展で行われるそうです!

Writing: owadajunko

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