TOP » ビジネスLOHAS » 地域づくり

2008年01月12日

フィリピン紀行 -誰が国の発展の方向を決めるのか? (1/12)

今年は1月早々、7日から10日まで、ちょっと用があってフィリピンに行ってました。
えっフィリピン? マニラですか? 
滞在中にいただいたメールも
「マニラとは、またマニアですね!(笑)」
「病気に気をつけてくださいね」
「ご無事でお帰りください」
「水には特に気をつけて。水道水は飲んじゃいけませんよ」などなど

P1016575.JPG
マニラ空港 季節の装飾はこんな感じ

確かにフィリピンとかマニラというと、ごちゃごちゃしていてスラムや歓楽街というイメージが強いですよね。
美しいビーチが広がる島々とか、のどかな田園地帯とか、そういうイメージは残念ながらありません。

そんなわけで、私も何の期待もしないで行ったのですが(苦笑)、逆に色々な発見があって、興味がわいてしまいました。

気候は、1月は乾期で温度が28度前後。湿度が低いので過ごしやすい。
Tシャツとジーンス、ちょっとはおるものがあればOKです。
水は確かにミネラルウオーターを飲まなければなりません。
食事は和洋中から地元フィリピン料理まで色々あります。全般に甘めです。
ファストフードはKFCとマクドナルド。コンビにはセブンイレブンとミニストップが目に付きました。

滞在していたのは、マカティというマニラの隣にある、目下最も開発の進んでいるエリアのコンドミニアム併設のホテルでした。そのコンドミニアムに弟が住んでいるのですが、

マカティの中心はオフィスビルやメジャーなホテルと商業施設が混在していて、日本で言えば六本木のようなイメージです。その先に新宿の歌舞伎町みたいな歓楽街エリアがあり、私の滞在していたホテルはそこにありました(苦笑)。
なので、一晩中まちには若い女性、キレイなお姉さまや様々な国の男性が通りを行き交い、それはそれは賑やかで、しかも早朝には鶏まで鳴いて騒がしい!

◆ 実はショッピングセンターは充実!

一番驚いたのは、ショッピングセンター(SC)とそのグレードです。
昨年春にアメリカ西部のショッピングセンターを40箇所ほど回ったのですがその地域に住む人の階層に合わせていくつかのタイプがありました。
フィリピン(マカティ)には庶民向けの「グロリエッタ」と、富裕層向けの「グリーンベルト」という二大SCがあり、マニラ市内にはアジア最大のSC「モールオブエイジア」というものもあります。
また、郊外には街道沿いタウンセンター型のSCが点在しています。

ショッピングと歓楽街。そう。人々の欲望がストレートに表出しているまちとでも言えばいいのでしょうか。カジノもありますから。
大学を出ても職業につける人は少なく、日本人の駐在員などは、メイドさんと運転手が付くことが多いようですが、運転手で月に1万ペソ(約2.5~3万円)、メイドで3,000ぺソ(8千円程度)の賃金だそうです。


昔「バックツーザフューチャー」という映画がありましたね。私はあの映画が大好きなんですが、色々な将来が出てきますよね。
思えば、どんな将来(未来の社会)をイメージするかによって、実際にその未来が起こってしまう。逆に言えば、イメージする通りに将来は実現するということを暗示していたようにも思います。

いったい、フィリピンの人たちはどんな将来をイメージして、今があるのでしょうか?そしてまた、どんな将来をイメージしているのでしょうか?


「グリーンベルト」は、その名の通り、緑(公園)の中に商業施設があるという感じで、訪れたのは夜でしたが、ライトアップされた公園、レストラン、夜も礼拝が行われるオープンチャーチ等が洗練された雰囲気を演出していました。人気のデートスポットだそうです。

P1016544.JPG

テナントは、ルイヴィトンやブルガリなど、欧州の有名ブランドが軒を連ね、落ち着いた雰囲気をかもし出していました。ゴミも落ちていませんし、施設の入り口には全てセキュリティガードがいて、安全・安心です。

「グリーンベルト」に直結の30階建てのコンドミニアムが建設中で、1,500~数千万円までの価格帯ですが、発売即完売だそうです。
六本木ヒルズか、乃木坂(ミッドタウン)といった雰囲気ですから、やはり単身や子供のいない富裕層に人気なのですね。

一方、庶民派の「グロリエッタ」には平日の夕方に出かけてみました。市内の交通渋滞を緩和するために、週に一度マイカーに乗れない日があります。ということでタクシーを使ってアヤラ駅近くの「グロリエッタ4」に。
何だか沢山の人で賑わっています。買い物をするわけでもなく、ウインドーショッピングをしている人も少なくないようで。

驚いたのは、店員さんの身だしなみでした。女性はJALの客室乗務員並みに髪をキュッとまとめ、きちんとお化粧し、スーツのような制服を着ています。
男性は、刈り上げた短い髪に、半袖シャツがすがすがしいという感じです。
空港やホテル、SCなど、たいていの建物の入り口にはセキュリティガードがいますが、彼等も皆ピシッとしていました。

「食品スーパーを見れば、そのエリアの暮らしがわかる」と、いつも旅先で食品スーパーを巡っているのですが、フィリピンの食品の物価はおおよそ日本の1/3。店頭には色とりどりのグローバルブランドの加工食品やトレーサビリティのわからない(読めないだけかもしれませんが)生鮮品が並んでいます。

スーパーの生鮮品の鮮度は良くありません。野菜など基本は無包装の陳列ですが、オーガニックなどという文字を見ることはありません。

食品と並んで多いのがシャンプーや日用雑貨ですが、これまた巨大ドラッグストアとでもいいましょうか、人工的な香りがあたり一面に広がり強烈です。

◆フィリピンにロハス層はいるのか?

一日は、郊外に建設中の高級住宅街があると聞いて連れていってもらいました。
マカティ市内から車で20分、「VERDANA HOMES」と言う、アヤラ財閥が開発するゲートのある高級住宅街です。
半分くらいはすでに家が建っていますが、それぞれ100坪程度の敷地に2階建て。
庭付き一戸建てで、ガーデニングもそれぞれの家庭の趣味を反映した色々な趣向のものです。

P1016561.JPG
突き当たりにあるのがゲート。セキュリティが常時立っている

価格は土地込みで2~3千万円といったところですが、外国人は所有することはできないので、50年の借地権契約のようなものをするようです。

共用のプールやクラブハウスがあり、共用の芝生にはバーベキューの設備なども。
平日の午前でしたが、プールで泳ぐ白人の母子や、フィリピン人家族など。
ゲートや共用のプールがあることと、規模は違いますが、首都圏で言えば、多摩田園都市線のタマプラーザや青葉台といった雰囲気です。

P1016557.JPG

掲示板には、地球温暖化防止のためにできること、という新聞記事とエリア内でのゴミの分別について掲示がありました。
このくらいの暮らしになると、ようやくエコやロハスを気にかけるようになるようですね。

P1016560.JPG
ゴミの分別方法を掲示。映画「不都合な真実」も告知

それなりに収入があり、30代で小さいお子さんのある家庭や、リタイアした人たちが静かな環境で暮らしたいと、人気を得ているそうです。

弟の家が建築中で、その基礎工事の様子を見てきました。基礎用の穴を堀り、鉄筋を入れコンクリートを流し込む。あとは、コンクリートの基礎の上にブロックを積み、塗料を塗って終わりです。木材はほとんど使いません。
昔は鶏の生血を基礎に注いだそうですが、今は代わってコインと赤ワインをコンクリートを流し込む前の基礎の穴に撒きます。家は2ヶ月くらいで完成するそうです。


三泊四日の短い滞在でしたが、次回は、郊外の住宅に滞在し、ぜひ農村やエコビレッジ、近隣諸島を訪問し、ロハス探しをしたいと思います。

フィリピン旅行で感じたこと。それは、誰が国の発展の方向性を決めるのか?ということでした。
どんな国を作りたいのか、政治家やビジネス界のリーダーが自己の利益のみ追求するのではなく、一体国全体や地球的視野で物を考えているのかどうか。
これを機会に、フィリピンの歴史や人々の思想、社会活動などについて調べてみようと思います。

Writing: owadajunko

↑ページの先頭へ

関連書籍・メディア

お問い合わせ

企業・個人からの個別相談・コンサルティングを承っています。お問い合わせは下記フォームからお願いいたします。


ドキュメンタリー映画「幸せの経済学」