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2009年04月26日

古民家に滞在し、田舎暮らしを学ぶ 「関東ツーリズム大学」 里美キャンパス (茨城県常陸太田市里美)

4月18・19日と、茨城県、常陸太田市、里美地域を訪問しました。ここは、NPOえがおつなげて「関東ツーリズム大学」のキャンパスの一つです。

心温まる農村

常陸太田市は、茨城県の北東部にあり、東京から120km圏に位置しています。昭和29年に1町6ヶ村が合併し常陸太田市が誕生し、翌年、世矢村と河内村を、さらに平成16年12月に金砂郷町、水府村、里美村を編入して現在に至っています。平安末期から約470年間は北関東の豪族佐竹氏の拠点として発展し、その後は水戸藩の要地として特に重視されたところから、市街地の台地を中心とした周辺には佐竹氏に関係の深い社寺や、西山荘・瑞竜山など徳川家に関する史跡が多く残されています。

そして、常陸太田市里美地域は、原風景の残る小さな農村ですが、過疎・高齢化により空家が増加し、集落のコミュニティ崩壊が危ぶまれています。

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人情あふれる温かい農村     

里美は、風力と水力でエネルギーの7割を賄っているエコな地域でもあります。風力発電施設は里美牧場の上にあり、牧場からの眺望は山並みがはるかに広がっています。頂上には「プラトーさとみ」という宿泊施設があり、星空観察にもうってつけです。 

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山頂に風力発電機


古民家に滞在し、田舎暮らしを学ぶ

そこで、空家である古民家を持ち主より借り受け、再生し、地域発展のために有効に活用する活動が始まりました。荒蒔邸と沼田邸という二軒が拠点となっています。2007年にはNPO法人遊楽が設立され、農的生活の体験など、多様なツーリズムプログラムを用意し、学びの場を提供しています。古民家を再生し、都市と地域の交流の場として活用している先駆的な社会貢献型事業モデルとして、2008年総務大臣賞を受賞されました。

2009年3月に実施された「田舎で働き隊」では、地元の竹を素材に、間伐、炭焼き、竹細工など加工から販売までのスキルや、有機無農薬農業のスキルの研修を行いました。

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囲炉裏やかまどもある古民家

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竹を切り出し、加工し販売する


桜を植えて地域を美しく

4月19日は植樹をするからと誘われてうかがったのですが、山の斜面の杉を伐採し、そこに700本の桜や紅葉を植えるというのです。東京からも、里美に縁のある人たち20代~60代までの男女約20名が植樹に参加しました。美しい地域は地元住民自らが作る、そしてそれを縁のある都市住民がサポートするという関係がそこにはできあがっていました。

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村人総出で植樹する

急な斜面での植樹を手伝い、昼からは郷土料理やバーベキューがふるまわれました。村の人たちも皆集まり、大いに交流を楽しみました。なんといっても農山村での楽しみは郷土料理や村の人たちとの交流です。○○ランドに行って、お酒も飲めないレストランで食事をするよりも、こうして美味しい空気・美しい景色の中で、地元の旬の料理をどぶろくと一緒にいただくのが、最近はもっぱら気に入ってしまっています。中でも、ここ里美は心安らぐ里でした。

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ウド、タケノコ、わらびの炒めもの

午後は、一軒のお宅におじゃまし、裏山にちょうど花をつけ始めた“葉わさび”摘みに行きました。手入れの行き届いた森に、下草として葉わさびが広がり、白い可憐な花をつけていました。

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木漏れ日が葉わさびに

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この葉わさび、家に持ち帰り、すぐにさっとゆがき、2㎝に切り、だし醤油に漬け込みました。わさびようなツーンとした辛みのある、とても美味しい箸休めになりました。

遊び、楽しみ、心温まる里、里美でした。


※NPO法人遊楽 http://www.yugaku.net/

Writing: owadajunko

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