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2009年10月06日

集落単位で有機の里が実現。埼玉県小川町下里地区

◆ オクタ エコツアー

10月2日、埼玉県小川町にオクタさんのエコツアーで行ってきました。

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あいにくの小雨でしたが、頭を垂れるコシヒカリ

プログラムは、かつで小学校の分校だった「下里分校」で、金子美登さんのお話、次いで、オクタさんが今年から買い支えを始めた有機米の田んぼの稲刈り、農村ウオーキング。

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カマを使ってお手本を魅せてくれる金子さん。早業!

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サクっ、サクっと。心地よい音です

ランチは下里分校で有機野菜たっぷりのお弁当(有機米で日本酒を造る「晴雲酒造」が営む「玉井屋」特製)をいただきました。

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魚は粕漬け。野菜や米はほとんど町内で自給できる

午後は「下里農場」見学、そして下里の大豆を原料にお豆腐を作っている「とうふ工房わたなべ」さんを訪問。最後は関東でも有数の人気を誇る「花和楽(かwら)の湯」で温泉を楽しんできました。

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石油に依存しない農業。トラクターは廃食油で動きます

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ふわふわの藁が敷かれ、ちっとも臭くありません。鶏も幸せそうです

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今年6月に生まれた子牛。オバマと命名されました

参加の皆さんも、大いに、美味しい野菜、農村ウオーキング、温泉を楽しまれ、リフレッシュされた一日でした。こんな近場にも美しく豊かな農村があるんですね。

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バッタ

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農場内にはクルミの木も。「次は山を豊かにしたいですね」と金子さん

有機の里、小川町

埼玉県小川町は、池袋から52km、人口35,000人あまりの町。豊富な森林資源と良質な水に恵まれ、特に1300年の歴史を持つ手漉き和紙は国の重要無形文化財に指定されています。武蔵の小京都と呼ばれ昔からの文化を現在も育んでいるまちです。近年は有機農業やバイオマスなど地域資源を生かした循環型のまちづくりとしても知られ、都会から多くの若者が移り住んでいます。

小川町で有機農業を行う「霜里農場」の金子美登さん、および地域のミニコミ紙を発行する生活工房「つばさ・游」(代表高橋優子さん)は、小川町の資源・人・経済をつなぐ役割を果たしています。住民自らが持続可能なまちづくりを主体的に考え、行動し、資源とエネルギーの地産地消を展開することによって、先駆的な低炭素社会なまちづくりを実現しつつあります。

小川町下里の「霜里農場」農場主・金子美登さんは1971年より有機農業を実践し、日本の有機農業の草分けとして活躍し、地域と共に歩む活動をされてこられました。同地では霜里農場の農産物を原料とした日本酒、うどん、お醤油、豆腐など農商工連携事業も盛んになってきました。

その活躍をみて、2001年同じ地区の慣行農法(農薬や化学肥料を使う農法)農家の方が金子さんと同じ方向でやりたいと相談に訪れたことから、大豆栽培から有機農業に転じ、次いで2003年には6haを集団で大豆、小麦が有機に転換しました。

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「有機農業に転換して、農業がこんなに楽しいものだと、初めて思いました」と、安藤さん。左から高橋さん、島田さん、金子さん、安藤さん

2008年までには4軒が有機栽培の米づくりに転換しました。2009年2月現在で下里地区における慣行農家(自給的農家は含まず)は残すところ2軒になりました。オクタさんがお米を適正価格で買い支えることになり、ついにこの2軒の農家も有機農業に転じることになりました。
集落単位での有機の里の実現は、全国でも珍しいケースです。

「農家の皆さんは本当に喜んでいます。農家が元気になると、地域が美しくなるんです」という金子さんの言葉が印象的でした。

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柿、栗、銀杏、クルミも実りの時を迎えました


※このたびオクタさんが東京商工会議所主催「第7回 勇気ある経営大賞 特別賞」を受賞されました。おめでとうございます。

Writing: owadajunko

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