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2009年11月09日

西会津・開墾&晩秋の山里・暮し体験ツアー報告(11/7~8)

11月の7~8日は、福島県西会津町の奥川地区で開かれた開墾&山里暮し体験ツアーに参加してきた。バスをチャーターし、東京・埼玉から8人。福島県内から8人、そして主催である西会津ローカルフレンズの皆様8人と、総勢24名が集った。20代から70代まで年齢も幅広く、職業も会社員から、農業や観光関係、地元のお母さん達までと多彩だ。大塚さんと私は二週連続での開墾ツアー(笑)。

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優しい紅葉に迎えられて

ETC効果の渋滞で西会津町奥川まで、なんと6時間。やっと現地の古民家に到着したのは13:30。
高齢化率54%の集落で、人の数よりサルの方が多いらしい。

玄関の軒先にすずめ蜂の巣がある。これは縁起が良いそうで、蜂が去ってもそのままにしておくそうだ。軒先には大根、渋柿、里芋の茎などの干し物。野菜でも干すと甘みが出るから不思議だ。そして出迎えてくれたのは、「紅葉やススキ、赤や紫の木の実の付いた枝の生け花ならぬ、“生け枝”だ。花屋さんには売っていない美しさ・・・ ため息が出る。

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まずは腹ごしらえ。「食べらんしょ!」地元のお母さん達が作って下さった昼食をいただく。三瓶さんちの、はざがけした米だ。新米の炊きたてご飯は本当に美味しくて、近くの山で取れた大きな原木なめこの入った味噌汁、山菜の煮物などで、ついついご飯をお代わりする人が続出だ。

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新米の炊きたてご飯と、なめこ汁

同地で初めての、遊休農地の開墾

そして、バスで近くの遊休農地へ移動。地域の山々は、針葉樹と広葉樹が混在して、優しい紅葉が広がっている。地域の人の優しさ、温かさと同じだ。この遊休農地は、かれこれ50年以上前に開墾され、田として使われてきたが、ここ数年は高齢化や過疎化の影響で遊休農地になっていた。今回はまず7aを開墾することに。

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友愛観光バスで、友愛!

開墾アドバイザーとして東京から大塚洋一郎さんが参加。地元の開墾インストラクターは一週間前に増富で開墾デビューした三瓶純一さんが指導にあたる。道具は、スコップ、鎌、クワなど。伊藤町長もご挨拶にお見えになり、「都会の人と地元の人が共に開墾することは、意義深い」と。

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伊藤町長夫妻

三瓶師匠(と前回の増富ツアーでニックネームが付いた)のクワやカマ捌きには今日も惚れ惚れする。が、増富とは違って、湿り気の多い粘土質の土の根を起こすことは思った以上に大変だ。何しろ土が重い。しかも、カヤの根は竹のように地中を縦横に伸び。この根をスコップで、ブチっ、ブチッと切っていくのは気持ち良いが・・・ 土が重い・・・

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なんとか日没までの2時間、抜根したり、根を起こしたりと。黙々と続けた。

囲炉裏端で「語らんしょ!」

その後は近くの温泉でじっくり温まり、再び古民家に戻って交流会だ。この古民家は三瓶師匠のお母さんの家で、三瓶師匠が生まれた部屋もある。
囲炉裏のある築300年以上の古民家のお座敷。卓を囲んで役場の人、隣町の人、都会の人、西会津ローカルフレンズのメンバーが車座だ。

「会津には三泣きという言葉があるんですよ。まずは会津の人のとっつきにくさに泣かされる。二回目は人情の深さに泣かされる。そして三回目は離れがたくて泣かされる」と前会長の伊藤和子さん。

岩魚はじっくり囲炉裏の遠赤外線で焼き上がり、新米の餅米で作った団子も焼いて“えごま味噌”を付けて。そして、メインは、地元の新蕎麦粉100%、名人による蕎麦打ちのライブと、できたてをざる蕎麦でいただくという贅沢。飲み物は地酒はもちろん、自家製ドブロクも!

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会津名物のこづゆ

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美しく、また美味

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交流会は深夜2時まで続き、奥川や西会津を○○で盛り上げていきたいね~ 
と、色々なアイディアが飛び交った。

雑木を切って「階段を作ってみらんしょ」

2日目は、朝から古民家の裏山で階段を作った。不要な雑木を伐採し、それを杭にする。横木は松を1m位に切って渡す。木の伐採から、切り方、組み立て方までを体験できた。かなり面白い。

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三瓶師匠の笑顔は今日も温かい

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こんな階段ができた

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裏山にはキノコがあちこちに自生

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おやつで一息。縁側も暖かい~ 柿も甘い

そして、山里ウオーキングに、みしらず柿もぎ。
再び古民家に戻り、意見交換会をして、全プログラムは終了。

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アルコールにヘタを浸して。2週間は密閉してね

最後の昼食がまたまたご馳走で。今年取れた餅米からできた餅を、納豆、あんこなどで絡み餅にして。一人で6個以上食べた人も!
わらびのおひたし、山のキノコの煮物、菊の酢の物・・・
「秋の味覚をいろいろ皆に食べて欲しかったから。ついつい沢山作ってしまった」と、大張り切りのお母さん達だった! 

「次回は雪の深いときに来るからね~」とバスの中と外で手を振り合う。何だかテレビドラマみたい。
心がじんわり温まった二日間だったなぁ。

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看板男、片岡元次さんの作ったカンバンに見送られて


※現在発売中の『美味サライ』の巻頭特集「日本の食を元気にする人たち」で、西会津ローカルフレンズの皆様の活動を4ページにわたってご紹介しています。ぜひご覧下さい。

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Writing: owadajunko

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