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2008年05月19日

今年の田植えはつくばの「みずほの村市場」の田んぼで

私も昨年から、GW前後に田植えに行くようになりました。去年は知人の千葉の家の田んぼで、そして今年は昨日、茨城県つくば市にある直売所「みずほの村市場」の田んぼで米作り体験会の田植えに参加してきました。

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つくば市は東京から約50㎞。「つくばエクスプレス」が開通し、都内から1時間圏内になりました。昨年末、みずほの村市場の方との出会いがあり、3月に施設を見学させていただきました。

◆毎日午後2時には売り切れが続出する直売所

みずほの村市場は、1990年に地元農家の長谷川久夫さんが中心となって直売所を開設したものです。地域の質の高い農産物を生産している農家に生産を依頼し、JAを通さず、自分たちで直接、顧客に新鮮でおいしい農産物を提供しよう、と始めたそうです。

売り場はいたって簡素で、農家の土間に今朝取れた野菜が並んでいるという感じです。多くの野菜や果物の試食もできるようになっています。新鮮で、顔の見える農産物は大変人気で、毎日午後2時頃には売り切れるものも少なくありません。花や植木も販売しています。
また、敷地内には古民家を移築した蕎麦屋もあります。横の水車小屋では、米や蕎麦を臼で挽いています。

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直売所入り口

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45人の生産者が参加

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まるで土間のような (2008年3月撮影)

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古民家を移築した蕎麦屋

10年前から米づくり体験会など、顧客が参加するイベントも続けてきました。
こうした取り組みが、ファンを増やし、「日本の農業賞2008」特別部門、「第4回食の架け橋賞」で優秀賞を受賞されました。日本の農業賞は、JA全中、JA都道府県中央会とNHKが主催し、日本農業の確立をめざし、意欲的に経営や技術の改革と発展に取り組み、地域社会に貢献している農業者と営農集団を表彰するものです。「食の架け橋賞」は、都市と農村の架け橋となる活動の貢献度などが審査されるものです。大賞は「相可高校(三重県多気町)」、優秀賞は「農事組合法人伊賀の里モクモク手づくりファーム(三重県伊賀市)」と「(株)みずほ(茨城県つくば市)」、特別賞は「清水牧場(愛知県刈谷市)」4団体が選ばれました。

このように毎年売り上げを伸ばし、今では顧客会員は11,000人、年間利用客数25万人。そして07年度は5.4億円にまでなりました。

農産物の直売所は今では全国に沢山ありますが、みずほの特徴は、出品している生産者の売上の高さです。45軒の生産農家の平均売上は約800万円で、これは全国でもかなり高い方だといいます。ちゃんと農業を続けていくには、農業だけで食べていける、子供が後を継ごうと思う収入を安定的に得られるようにすることが必要だと、長谷川さんは考え、様々な取り組みを行ってきました成果です。

同じ種類の野菜を二人の生産者に出品してもらい、自ずと質を競うようにしたり、日々の売り上げが12時、14時、15時に各生産者の携帯電話にメールで届き、商品を補充し、19時には当日の最終売上もメールで届きます。また、生産者の畑の土壌を診断し、それに合わせた堆肥を作って提供したり、野菜の品質を、栄養価の数値データで把握したりと細かい工夫を積み重ねています。また、今年4月にはJGAP(Good Agricultural Practice)という農業の生産工程管理手法も取得しました。

GAPは、「農産物の安全」、「環境の保全」、「労働安全」などを達成するために、農業生産工程全体のリスク管理をし、適切な農業生産を実現する有効な手法だと言われているもので、国も2011年までに全国主要産地でGAPを導入すると表明しています。それに先立ち、大分県のように、今年から県を挙げて導入に向けた取り組みを開始するとことも出始めています。農業も生産者の長年の勘と、こうした管理手法による生産性の向上を組み合わせる時代になったのです。

安全でおいしく、地域の住民に支持され、生産者の収益性も高いという「みずほの村市場」の事業モデルは全国からも注目されています。

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店内に飾られた「食の架け橋賞」賞状、トロフィー、GAP認定証

◆ 田植えには約100人が参加

それで、昨日の田植えですが、「米作り体験会」の会費は一人3,000円。5月田植え、6月草取り、9月の稲刈りと、3回通います。そして、参加回数に応じて、収穫されたお米が送られてくるというプログラムになっています。

米作り体験会も今年で10周年だそうですが、小さなお子さん連れのファミリーを中心に約100人が参加していました。募集は店内に簡単なポスターを掲出するだけだそうですが、今年は去年の倍の参加人数だといいます。それだけ、農業や米作りに関心を持つ人が増えたのということでしょうか・・・?

田植えを行った田んぼは2か所。一つの広さが2,600㎡。ここから20俵(1200kg)のお米の収穫を見込んでいます。無農薬での栽培をするつもりだけれど、雑草の出方によっては、除草剤をまくこともあるかもしれないが、お米には残留しないので、という説明がありました。1本の株(2~3本)から1,000粒のお米が生るそうです。お茶碗一杯で約3,000粒。

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1粒の米から

午前、一枚目のたんぼには皆で手で植えます。数日前に代掻き(しろかき:田植えのために、田に水を入れて土を砕いてかきならす作業)され、30㎝間隔に引かれた筋に沿って、20㎝ごとに、2~3本ずつ植えていきます。裸足で田に入りますが、気持の良いことこの上なく、小さい子供は田植えというよりは泥んこ遊び状態で、大喜びです。雨カエルやおたまじゃくし、ミジンコもたくさんいます。

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泥の感触が気持ちいい

昼食は農家の皆さんが作ってくださった、おにぎり、塩もみした野菜、豚汁、お餅(からみ、あんこ)、ミニトマト、果物(はっさく、スイカ)です。田んぼの土手にシートを敷き、ヒバリ鳴く、晴天のもと、五月の薫風にふかれてのお昼ご飯がとっても美味しくて、心地良いことこの上ありません。

午後の田植えは機械で行います。機械を使うの?と一瞬思いました。都会の消費者は昔ながらの手で植える田植えに郷愁があります。が、実際平地での田植えには、田植え機が導入されています。機械といっても、今回使用するものは一世代前のものだそうで、手押しで4条(4列)ずつ植えていくタイプのものでした。最新のものは、一度に8条とか10条ずつ植えることができるそうです。

6月の草取りの頃にはどれくらいの背丈に成長しているか楽しみです。(2008年5月18日)

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相当蛇行していますね・・・


※みずほの村市場 WEBサイト
http://www.mizuhonomuraichiba.com/

投稿者 owadajunko : 07:05

2008年05月17日

大分県竹田市、食育ツーリズム雇用創出大作戦!

ついに手づくり味噌ができあがりました!

◆ 念願の竹田での味噌づくり

昨年10月にうかがって以来、すっかり大好きになってしまった大分県竹田市です。
その時に、道の駅で買った味噌の味が忘れられず、今年2月に再び竹田にうかがい、味噌づくりに参加したのです。待つこと3か月。ついに、今朝、味噌だる(といっても、蓋付きポリ容器に密閉しておいただけですが)を封切りし、初ものをいただきました。

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味噌を作っている過程。味噌玉をしっかり詰めました

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できあがった味噌!


3か月すれば食べられますよ、とお聞きしていましたが、確かに味噌の匂いがします。
ただし、まだ色は浅く、麹のつぶつぶも残っているのもご愛嬌ということで。
「しんの実」(味噌汁の実の意味。千葉県の農家で使われている)は、成城のマイ畑で昨日とれた小松菜とマイタケ(つくばの直売所「みずほの村市場で購入)で。

味は・・・・やっぱり、去年10月に地元で買ってきたおばあちゃんの味噌とほぼ同じ味がしました!おばあちゃんの指導の元、地元の無農薬大豆、無農薬米麹、そして国東の塩。素材はただそれだけです。

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 こんな面白いものもあります。元祖インスタントみそ汁の素。
 お湯をかけて、味噌を溶けばできあがり
 無添加、ダシ入りの味噌が一人前づつ小さな玉になっています。


◆ 竹田のまちづくりは「竹田研究所」から始まった

味噌話はここまでにして、本題も竹田のまちづくりについては、ここからです。

まず、まちの概要ですが、大分県竹田市は、九州の中央に位置し、2005年4月に竹田市、萩町、久住町、直入町の四市が合併し、現在の人口約28,000人、面積478平方キロのまちです。

北に阿蘇くじゅう国定公園、南に祖母傾国定公園があり、城下町の歴史文化、竹田湧水群、長湯(旧直入町)の炭酸泉、久住高原、萩の農業観光地など個性ある4つのエリアから構成されています。交流人口は年間400万人を超える大分県内有数の観光地でもあります。

今から10年ほど前、1996年に「竹田研究所」という官民連携の組織が作られました。これは、竹田市観光振興計画(1996年制定)のもと、計画推進委員会の付属機関として設立されたもので、地域の文化・観光資源などの掘り起こしや、農林業・商工業の推進、情報発信などを多角的に行ってきました。

行政職員(10人)と市民研究員(9人)で運営されている組織で、地域再生のリーダー機能を担っています。当初から、「城下町としての歴史的な文化遺産や、恵まれた農村の自然を活かし、市全体を観光の博物館として捉え、訪れる人々に市民の生活と環境を見てもらいながら体験してもらう」という「エコミュージアム構想」を掲げ、商業・農林業・観光を三位一体でまちの振興を行っていこうという考えで活動を行ってきました。

その成果が、観光面では竹を活かしたイベント「竹楽」(ちくらく)であり、食文化面では江戸時代後期の南画家、田能村竹田(たのむら ちくでん)が愛した竹田田楽や、岡藩の食卓を彩った青大豆の復活や、伝統の「家庭料理大集合」というイベントなどの取り組みです。

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「竹楽(ちくらく)」 (写真:竹田市観光協会)

<地域活性化のポイント>

1.観光:商工観光課が中心となり、竹を活かしたイベント「竹楽(ちくらく)」を実施。国土交通大臣賞受賞。入田地区に広がり、5カ年で日本一美しい里づくりをめざし、桜と紅葉一万本の植え付けを行っている。

2.農業:九重野地区では、全国初の集落協定が結ばれ、農業の六次産業化をめざしている。「竹田市わかば農業公社」のマネジメントにより、農産物の加工品、道の駅や県内の流通業での販売などが行われている。

3.食文化:「竹田研究所」が中心となり、スローフード運動を提唱、竹田田楽の復活、主婦層が家庭の料理を持ち寄る「家庭料理大集合」等に取り組んでいる。


◆ 昨年10月にスタートした「竹田食育ツーリズム雇用創出大作戦」

こうした幅広い取り組みが認められ、2007年9月、厚生労働省による改正地域雇用開発促進法に基づく「地域雇用創造推進事業(新パッケージ事業)」の2007年度第1次採択分として、32地域の事業構想の一つとして「竹田市食育ツーリズム雇用創出大作戦」が採択されました。

新パッケージ事業とは、昨年の通常国会で成立した「改正地域雇用開発促進法」(2007年8月4日施行)に基づく、地域再生に取組む市町村などに対する支援の一環として、地域の創意工夫により行う雇用創造の推進を図ることを目的に、今年度から新たに実施するもの。委託費は1地域あたり2億円が上限で、事業期間は最長3年です。

ちょうど最初に竹田市を訪問した昨年10月24日は、この新パッケージ事業のキックオフミーティングが竹田地域で開催される日で、記念すべき「新パッケージ事業講演会」(竹田市経済活性化促進協議会主催)に参加することができました。
100人近い市民や事業者、自治体関係者が一堂に会し、熱心な議論が交わされました。

「竹田市食育ツーリズム雇用創出大作戦」は、同市の質の高い水、城下町を中心に発達した「発酵文化」や豊かな自然資源、文化遺産などを主体とする観光産業と、地域の食・産品開発を合わせた食育ツーリズムによる雇用創出を目指すこととし、業種別研修会の実施などを通じ、食育ツーリズムや食づくりを担う人材育成を進め、地域における雇用機会の増大を図るものです。

竹田市は産業面では農業を基幹産業としていますが、他の農山村地域同様、高齢化や後継者不足にあり、また製造業では、地理的条件や交通条件に恵まれないことから企業進出も少なく、就業の場を確保することが大きな課題となっています。

計画では、これら自然資源、文化遺産等を主体とする観光産業と、地域の食・産品開発を合わせた食育ツーリズムによる雇用創出を目指すこととし、業種別研修会、商品開発、販路拡大等の研修会を通じ、食育ツーリズムや食づくりを担う人材育成を進め、地域における雇用機会の増大を図り、2010年3月までに195名の雇用を創出することを目標としています。

この計画は県外のコンサルタントなど第三者が作ったものではなく、地域の人々(観光課の担当者をはじめ、地元事業者、市民、県職員や市職員の有志ら)により作られたこと、そして「竹田市食育ツーリズム雇用創出大作戦」を実質的に担っていくのが、県内で活動する「食育ネット」というボランティア組織だということが極めて重要で、成否の鍵になると私は見ています。

「食育ネット」は、県の職員が2004年に立ち上げたもので、今では県内、特に竹田市や大分市を中心に30人(女性20人、男性10人)がメンバーとして活動に参加し、「子どもたちの未来に希望を作る」を合言葉に、人から人へと緩やかにつながる顔の見えるネットワーク作りを進めています。

メンバーの職業は県や市の職員、企業に勤める人、ジャーナリスト、栄養士、主婦など幅広く、趣旨に賛同した人たちです。ワクワクする取り組みが多くの人たちの賛同を得るという考えのもと、県や竹田市、コープ大分などの食育関連の様々なイベントの企画・運営にあたっています。メンバーの多くは、「大分食育コーディネーター」として県の認定を受け、家庭や地域等における自主的・自立的な食育活動を推進しています。

プロジェクト全体図

雇用開発のスキーム


◆ ワクワクしながら、どんどん色々なプロジェクトが進んでいます

2月の訪問時は、「食育ツーリズム大合同研究会」が開かれました。市長をはじめ、大丸旅館のオーナーで県議の首藤勝次さんや関係者の皆様が一堂に会し、私も「ロハスとまちづくり」をテーマに基調講演させていただきました。その後、各プロジェクトの進捗状況を共有するとともに、試食会でおおいに盛り上がりました。美味しいものが沢山!本当に素晴しい宝が沢山ある竹田です。

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「竹田らしさフォーラム」家庭料理大集合。例えばシイタケ寿司 (2008年2月)

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味噌造りの後は家庭料理を持ち寄って昼食。(2008年2月)


※プロジェクトの進行状況は以下のWEBサイトでごらんいただけます。
http://taketa-syokuiku.org/menu.html

投稿者 owadajunko : 17:51

2008年05月06日

環境と健康を守ろうと、生産者、消費者をつないで30年 「大地を守る会」

◆事業と運動の両立を目指して

全国各地の約2,500の生産者と、8万人の消費者をつなぎ、安心して食べられる農産物、畜産物、水産物、加工食品などを広く提供しているのが「株式会社大地」が運営する「大地宅配」事業です。1977年に、株式会社という形態で法人化され、宅配事業が始まりました。併せて運動体としての「大地を守る会」も両輪として、発足以来継続されています。

「ちゃんとした人生を全うしたい。後ろ指さされず、自立して誇り高く生きていきたい。
生活も大事。生活をするためには事業が必要だ。」と、共同購入および宅配事業を始めたと代表の藤田さんはいいます。

扱っているものは有機野菜から無添加食品、環境に配慮した雑貨まで、同社の安全基準をクリアした約3,500品目が毎週会員に届けられています。年間売上は124億3,715万円(2006年3月期)にのぼっています。

同社がユニークなのは、活動を始めた最初から事業と運動を両立させていることです。運動面では、最近では「100万人のキャンドルナイト」や、「フードマイレージキャンペーン」が有名です。今でこそ、企業が社会貢献活動や社会・環境問題をテーマとしたキャンペーンを展開したり、社会問題を解決するために事業を起こすことはめずらしいことではなくなりましたが、30年前にそれを始めたのは新しいモデルを創ろうという社会実験に等しかったと思います。

また、誰からも規制されることなく、より自由に活動ができるよう、株主を募り、株式会社として運営をしてきたといいます。株主は約22,000人。生産者、加工品メーカー、社員、顧客などステークホルダーが、日本の第一次産業を、環境と健康を守るという同社のミッションに共感し、その実現のために出資したのです。

しかも、年に一回、毎年2月に生産者と消費者が集う交流会が開かれ、1,000~2000人が参加しています。信頼と安心がさらに広がるように、生産者と消費者、都市と農村、日本と世界をつなぎ、“顔の見える関係”を作り続けているのです。

◆共同購入から始まった日本の自然食品流通の歴史

この30年というのは、国内で減農薬・減化学肥料で作られた野菜をはじめ、安心・安全な食品・農産物の流通の歴史でもあります。

その流れを最初に作ったのが大地を守る会でした。77年、農薬や化学肥料を減らした野菜を食べたい、そういう野菜を作る生産者を応援したい。しかし、既存の流通ルートには価格の問題などで乗せることができないので、自分たちで共同購入を始めました。「生活クラブ」なども安心・安全な食品を共同購入しようと始まった活動でした。

その後、80年代になって宅配産業が成長期を迎え、農産物も宅配便に載せて届けるという「らでぃっしゅぼーや」など農産物の宅配事業が広がっていきました。専門店「ナチュラルハウス」が表参道に開店したのは82年のことでした。

90年代には、環境ホルモンや地球環境問題など、食を巡る新たな問題が浮上。無添加食品を全国で販売する「アニュー」などもこの時期に顧客(店舗数)が急増しています。

そして2000年に入ってから、大手食品メーカーの偽装や、中国産食品の汚染など、さらに問題は拡大・深刻化し、生産・製造履歴(トレーサビリティ)への消費者の関心が高まってきました。食品を買うときは“裏側”(原材料)をチェックしよう、国産のものをなるべく買おうという行動も広まってきました。それにつれて大手食品スーパーなど一般流通でも、店内に無農薬野菜や無添加食品コーナーや、惣菜コーナーを設けるなど変化してきています。

◆商品安全基準とその見直し

さて、同社にとって環境と健康に配慮した、安心で安全な商品をいかに選ぶか、ということが根幹です。取り扱う商品の品質をいかに担保しているのでしょうか。当初から、まずは生産者に会い、生産現場に行き、生産工程を目で確かめて、信頼できる生産者と取引を行うという姿勢で扱う商品を決めてきました。

後年、1999年には「大地を守る会有機農産物等生産基準」を決め、2000年には「大地の基準 こだわりのものさし」(商品取扱い基準)という文章で選定基準を公表しました。必ずしも有機JASの認定を受けていないものでも、同社の基準をクリアしていれば扱います。

また、加工品について、例えばだしに使用されているたんぱく加水分解や、酵母エキスは使用していいのかとか、米国でマーガリンへの使用が禁止されたトランス脂肪酸についてどうするのかなど、時代に合わせ、都度メーカーと相談しながら、減らしたり、使用を中止したりしてきているといいます。

ただし、たとえ無農薬、無添加でも、生産者やメーカーの人が信頼できない人である場合も、取引はしないということになっているそうです。商品そのもの、そして人柄も問われているのです。

◆キャンドルナイトがこれだけ広がった理由

同社の運動で最も成功したものは「100万人のキャンドルナイト」でしょう。これが、大地を守る会が始めた活動で事務局を務めていることを知らない人も多いかもしれません。このキャンペーンへの参加者は100万人を優に超え、去年は700万人、今年はイベント登録数で昨年の倍、ライトダウン6万か所、700万人を超えたと環境省から発表されています。

なぜ、キャンドルナイトはこれだけ広まったのでしょうか?「たまには明かりを消してスローな夜を」というコピーも共感を得た理由だと思います。

藤田さんは、若い人たちと大いに議論したそうです。キャンペーンの目的が自衛隊の派兵を止めさせたいとか、原発反対であったとしても、ストレートにそう言っては運動は広がりません。「○○のために我慢しなさい。」とか、「○○すべき」といった“啓蒙主義”(上から何かを変えてあげようという考え方)では広がりません、と意見され、ささやかだけど自分で自己決定したことや、世界や地球とつながっていくことを柔らかい表現(文章や写真など)で伝える方法が選ばれました。呼びかけ人を大勢にし、各人の態度を31文字で表現してもらい、インターネットで公表するなど、インターネットの活用も大きな効果があったといいます。

「自分仕立ての運動。100万通りのキャンドルナイトでこれだけ運動が広がりました。」と藤田さん。また、メディアにキャンドルナイトの記事が掲載されることもしばしばで、その際に「事務局大地の会」と掲載され、ホームページへのアクセスがあり、宅配を申し込む人も少なくないといいます。運動に共感し、同社の事業を利用しようという経路です。

◆これからも国内の一次産業を支えて

「大地を守る会」は今後どこを目指しているのでしょうか。
「一部上場するとか、大きくするとかではなく、経済成長と同程度のゆるやかな発展を続け、継続することを目標としてきた。」といいます。そして、今後は宅配を中心としつつも、和食レストランや若い女性向けのカフェや店舗など、新しい業態にもチャンレンジし、販売チャネルを多様化し、組織を持続させていきたいという考えです。

そして何よりも重視し力を入れていくことは、これまでと変わらず、国内の一次産業を守ることであり、環境や健康を守ることであることは言うまでもありません。
食品の国内自給率が39%であるのは低いのか、死守していると見るべきか。消費者が輸入の安いものを買わなければいい。自分が買うときに原料や製造工程を調べれば良い。安さだけではない、他の価値にも目を向ける消費者が増えるよう、今後も情報の提供、運動に力を入れていく決意です。

(2007年6月、会長の藤田和芳さんにお話をうかがいました)

投稿者 owadajunko : 09:07

2008年05月04日

グリーンウイークの過ごし方はカーボンオフ (5/4)

GWはどのようにお過ごしですか?
今年から、GW(ゴールデンウイーク)をグリーンウイークと呼びませんか?と
小池百合子さんの呼びかけで、キャンペーンが始まりました。
私もその呼びかけ人の一人に名を連ねさせていただいております。
http://greenweek.jp/

私は畑でチンゲン菜を収穫したり、29日は福島県の西会津に行ったりと、グリーンを満喫しています。

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アグリス成城のマイ畑。黄色い花をつけているのはサイシンという中国野菜

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西会津。田植え前の田んぼでも、カエルが鳴いていました

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自生するかたくりの花(左の紫の花)

そもそもゴールデンウイークは経済成長時代に、どーんと休みをまとめて取って、海外旅行やテーマパークに行こう!と、大量生産・消費社会時代に生まれた呼び名です。
今や時代は“多品種少量生産”で“豊かな時間創出時代”に変わりました。ということで、今年からグリーンウイークと呼びましょうというわけなのです。しかも、今年は京都議定書の発効年で、7月には洞爺湖サミットもあります。温暖化防止のために、ライフスタイルを変える、行動を始める年なのです。

旅行のスタイルも随分と変わりましたね。海外に行って、ショッピングセンターでブランド物を買い回り、テーマパークやレジャーランドで遊び、グルメレストランでディナーを取るといった消費型から、今や日本各地の中山間地の農山村を訪問し、田植えや農業を体験し、おばあちゃんたち秘伝レシピーの地元の食材をつかった地元料理を肴に、地元の方々と自家製どぶろくで交流し、そして温泉でじわーっと身体を休める。朝も夜明けとともに起き、鳥の声を聴きながら里山を散歩する。こんな旅が実に豊かだと思うのは私だけでしょうか・・・?


話をグリーンウイークに戻しましょう。5月4日の今日、「赤坂サカス」(最近オープンした都内の新しい再開発エリア)でグリーンウイークのイベントが開かれました。サカスはTBSを核施設に、ショッピングやレストランが軒を連ねています。花を咲かせる、思いを咲かせる、という意味だそうで。一昨年は「丸ビル」(東京駅)、昨年は「ミッドタウン」(乃木坂)と、毎年この時期に新しい商業施設がオープンして人々の流れが変わります。

イベントには呼びかけ人代表の小池百合子さんが登場。私も、4月3日の出版記念講演会にメッセージをいただいたお礼にご挨拶にうかがってきました。

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小池さんは、「ECO YURI」ブランドのエコバッグを肩にかけ、愛用のスカーフ(兼風呂敷)を広げて見せてくださいました。そして、
「今年は7月に洞爺湖サミットがあります。京都議定書も今年が発効年。いよいよ5年間でCO2」をどれだけ減らすかカウントダウンが始まりました。
メタボの人が5年間でどれだけダイエットできるか、体重計の乗った段階です。
グリーンウイークをかわきりに、グリーンイヤー、グリーンセンチュリーを創っていきましょう。グリーンウイークがそのアクションのきっかけになればいいなと思います。」と呼びかけられました。

ステージではエコバッグのファッションショーや温暖化防止のレクチャーなどが。展示即売コーナーでは、関東近郊のフードマイレージが少ない農産物の販売や、マイボトルの持参を呼び掛ける給茶コーナーなどがありました。

この給茶コーナーですが、実は「マイボトル」を広める活動として、全国のお茶やさんで始められているものだそうです。スターバックスではコーヒーをマイボトルに入れてくれますが、あれの日本茶版です。「お茶専門店ならではの、ペットボトルとはひと味もふた味も違うおいしさをリーズナブルな価格で堪能できるはずです。」とチラシに書いてあります。知りませんでした。 

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ペットボトル入り飲料 → マイボトルへ。 
全国の給茶スポットMAPがあるそうです。
http://c11po2lc.securesites.net/cafe/

それで、参加しているお茶やさんに行って「給茶お願いします!」と言ってくださいというのですが、“給茶”って言葉、給油とか、サービスエリアに置いてある給茶機を連想して、あんまりおしゃれじゃないですよね。カタカナにすればいいってものでもありませんが、ティーサーバースポットとか、何か良い呼び名はないでしょうか・・・?

それから農産物コーナーでの発見は、7種類の地大豆からつくった「納豆」でした!!
納豆に定番で使われている大豆は「こすず」「すずひめ」という大豆で、その他に「小糸在来」(千葉)、「秘伝」(山形)、「紅大豆」(山形)、「祝黒大豆」(北海道)、「茶豆」(秋田)という7種類です。セットで1,100円でした。ごらんください。色も大きさも様々です。
残念ながらホームページは制作中のようですが、日本のベーシックな食材を提供するブランド「雑That’s(ザッツ)」のものです。きっと雑穀から取ったネーミングでしょうね。注目したいブランドです。

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この納豆、昨日、梅ヶ丘のこだわりの酒屋さん「なかます」で買ってきた神亀酒造(埼玉)の「手造り純米酒 しんかめ」のツマミにピッタリのはず。お米は山田錦、五百万石、美山錦だそうで。精米歩合60%。私は淡麗辛口とか、フレッシュでフルーティーな吟醸香を持った日本酒は好みではなく、「米の旨味とコク」のあるものが日本酒の原点ではないかと、そんな私好みの「しんかめ」です。
神亀酒造のホームページもありませんが、検索すると色々出てきます。

いつもお酒のこととやオツマミのことが出てきますね、とよく言われます。(笑)年齢のせいか、イタリアンとか、焼肉より、すっかりこういう地元食系のものが気になって仕方がない今日この頃なのです。

話をグリーンウイークに戻しましょう。
ということで、これからは、マイ箸、マイボトル、そしてエコバッグの三点セットは必携ですね!

グリーンウイークが終わっても、これからの休日の過ごし方は“カーボンオフ・ウイークエンド” (CO2をなるべく出さない休日のスタイル)をということで、

・車ではなく電車や自転車ででかける
・エコツアーに参加する
・国内の田舎巡りをする
・近くの農村を訪ね、直売所で地元の農産物を買う
・手作り料理持ち寄りホームパーティをする
・グリーンウイーク宣言をする。(一宣言で1kgカーボンオフセットするそうです。)

ぜひ、あなたも宣言をしてくださいね。
http://greenweek.jp/

投稿者 owadajunko : 18:01